父は安楽死を選びたかったんじゃないか
うえきちです。
父の死からもうすぐ2ヶ月がたちます。
やっと気持ちが落ち着いて前向きになってきたかなという心地でいます。
この記事は亡くなったあとすぐにしたためたものです。
死に方を選びたいなと思ったお話です。
父もこんなに急ピッチで自分が衰弱して死期が迫ってくるとは思いもよらなかったろうと思います。
「苦しんで逝きたくない」と言っていたそうです。でも、結果苦しんだようです。
家族や大事な人と最期のお別れもできずにただ苦痛という存在になるのはわたしも嫌です。
わたしは、回復の希望がないなら、大切な人と最期の時間を過ごしたらそのまま逝きたい。
一般的に他人(一般的には医師)が行う場合は下記の四条件を全て満たす場合に容認される(違法性を阻却され刑事責任の対象にならない)。
患者本人の明確な意思表示がある(意思表示能力を喪失する以前の自筆署名文書による事前意思表示も含む)。
死に至る回復不可能な病気・障害の終末期で死が目前に迫っている。
心身に耐えがたい重大な苦痛がある。
死を回避する手段も、苦痛を緩和する方法も存在しない。
父が亡くなりました。
悔いが残らないようにしてきたつもりでしたが
母の時に散々悔しい思いをしていたので、父に対しては普段からできるだけ悔いを残さないように接してきました。
といっても特別扱いするという意味じゃなくて、できるだけ連絡とるようにしようとか、家族で顔を見せに行こうとかそういう事ぐらいでしたが。
父は昔から子供に世話をされたくないと言ってました
父は、子供に介護で世話をかけることを非常に嫌っていて、それは昔から言ってたので知ってました。
自分の子供にそんな姿を見せてまで生きていたくないという思いがあったみたいです。それは父の親を見てそう思っていたようです。
この歳でわたしは父を心の支えにしていた
かくいうわたしも、もう五十過ぎですが、今でも精神的には父を支えにしていたようです。
仕事の都合で一人単身赴任をし、一人暮らしの生活をしていますが、一度寂しさとしばらく連絡してなかった事もあったので父に1年ほど前に電話をしたことがあります。
いつもの軽い調子と冗談を交えて話を聞いてくれました。今から思えば、当時でさえ楽な暮らしをしていたわけではなかったようです。(父は大腸がんの手術を10年ぐらい前にしていました)
お盆にはいつも仏壇がある我が家へ兄弟夫婦と父で集まるのが恒例でした。
ところが父が急に、お盆参りに来ないと言い出していたのです。そこを何とか、その年は来て欲しいと言ったら来てくれました。
本当は来るのも辛かったんだろうと思います。そしてその時に来てくれたのが、生きて我が家へ来る最後になりました。
その連絡は突然すぎました
単身赴任の延長の話が正式に決まった頃、父から急に電話がありました。
検査入院したら肝臓にガンが見つかったと。
「肝臓なんか少しでも機能してたら大丈夫やから心配すんな」
と。
余命の話は聞きませんでした。
いつもの調子かと思いましたが、いろいろとひっかかる部分がありました。
その後で、父の再婚相手(実の母は20年前に亡くなっています)から改めて電話がありました。
そこで深刻な真相を聞くことになります。
余命、もって三ヶ月。胆管がん。非常に状態は悪く治療できる状態ではないと。
調べましたが、胆管がんは非常に早期発見が難しく、発見しても手術が難しく、生存率が非常に低い癌なのだそうです。
父から電話があった時は普通に会話できてました。
その話を聞いたので改めて電話しました。「行こうか?」と言ったら「来るな」と言われました。
父は、自分の現実を認めたくなかったんだと思います。
突然に終焉の時を過ごす父
入院したら二度と家に帰れなくなるので、家で過ごしていたようです。それでも日に日に衰弱していったそうです。
最後は自分で身動きできないようになったので、急遽入院しましたが、その時の医師の診察では余命1週間。
随分と短くなるものなんですね。その時はまだ会話はできていたそうです。
休みに入ったので急いで病院へ行きましたがその時はすでに意思疎通はできませんでした。意識はあったみたいですけども。
最期はただ苦しむだけの存在
激しい痛み、多臓器不全のために毒素が体をめぐり、意識は混濁。
この状態で生きているというのは地獄以外のなんなのでしょう。
自分の意志では何もできず、病院にされるがままとなっているのが見ていて辛かった。
こんな状態で生き長らえたいと誰が思うだろうか。
ここまで苦しむのならわたしは安楽死を選びたいと思う
わたしは自分がこういう状態になると分かったら、早めに大事な人とお別れをしてすぐに死にたいと思う。
恐らく父もそう思っていたのではないだろうか。
でもその前に父は、自分の死を受け止める事もできてなかったようだ。
わたしもまだしっかりと受け止められていない。