Mezalog

備忘録的な

日本メーカーは真の技術者の育成とブランディングが急務

うえきちです。

かつては飛ぶ鳥を落とす勢いだった日本の家電メーカーが、今年になって無残な会計状態を発表しています。

ジレンマとか言われて久しいですが、起死回生はあるのでしょうか。

 

日本は今でも技術立国なのか?メーカーの惨憺たる現状

もう昔話になりつつありますが、日本メーカーはかつて、外国メーカーの追随を許していませんでした。

キーデバイスを作り、それを使った圧倒的優位な製品を売りだしていたのです。常に先頭を走り、新たな技術と製品を導入していたので開発力が劣る海外メーカーはとても太刀打ちできなかった時代がありました。

 

ところが圧倒的優位を誇っていた半導体がすべて外国製に値段も技術も負けて撤退しました。

液晶パネルを開発したシャープは、液晶パネル製品市場を韓国メーカーに持って行かれて悲惨な状態です。

 

日本は技術力が世界一というイメージは、まだあるようですが本当にそうなのでしょうか。

ブランディングを怠って価格競争にまんまとはまった

ブランディングで徹底的に成功をしていると言えば、Appleを真っ先に思い浮かべます。

スティーブ・ジョブズ亡き後はだんだん怪しくなってきてますが、今のところAppleのブランド力は衰えていません。

Apple製品は熱烈なファンを持っていて、値段を下げる事はありません。ノートパソコンが2万円で手に入る時代なのに、10万円のノートパソコンが飛ぶように売れています。

価格競争に参戦するとだめなんです。

かつての日本はそうでした。半導体はともかく、液晶テレビは完全に価格競争に巻き込まれました。

 

「安さだけが正義」などと言われていた時代もあったんです。でもそんな競争をやっていたらブランドも技術力も関係なくなります。

 

低賃金で働く人がたくさんいる外国メーカーと戦うには圧倒的に不利でした。そこで、低賃金で働く人の国で生産したら良いという発想から、生産拠点を海外へ移しました。

 

日本向けの製品も海外で作って逆輸入するというやり方にしました。 そんな方向で競争していたら行き着く先はどんな状態なのか、経営者には見えてなかったようです。

キーデバイスの技術流出の対応を漫然と許した

韓国や台湾へ、日本から多くの技術者がヘッドハンティングされていった話は有名ですね。

日本の給料の何倍もの給与で釣られたのですが、目的は当然日本の技術です。多額の開発費をかけて製品にしたデバイスが、いともたやすく外国メーカーが作れるようになってしまいました。

製造ノウハウがあれば、製造コストの競争だけになってしまい、価格競争では日本は不利にならざるをえません。日本で生産された製品の品質の高さはそれでも定評はあったのですが、低品質でも圧倒的に安い製品が市場では選ばれました。

 

Appleの場合はどうなのかといいますと、核となる半導体チップは自社製ですし、iOSは他の追随を未だに許していません。デザインやUIを真似しようとした某メーカーとは全世界で特許侵害抗争で販売差し止めと莫大な損害賠償請求の裁判を行って一歩も引いていません。

2015年12月3日に一応合意に至ったようですがまだまだ続くでしょう。

iphone-mania.jp

技術者は育ってない、秘伝のタレしか残ってない

本当に設計できる技術者が育っていません。この現状では将来は絶望的と言わざるを得ません。

某メーカーのDRAMが、核となる部分を前からの流用で済ませており、設計変更の必要が迫られた時に誰もその中身が分かる人がいなかったという逸話があります。

 

かつては新製品には新規開発を行っていましたが、開発コストがかけられない上に、開発期間が短いため、設計は流用で済ませてしまっています。実績のある回路を流用しているから信頼性が高いという反面、使っている部品がどんどん古いものしかなくなってくるという問題があります。

 

ロシア製戦闘機には真空管が使われていたという話は笑えないです。

それよりも問題なのは、設計力をつけなければいけない若手技術者が、流用する設計しかできないという事の方が深刻です。

 

どうしてそういう回路になっているのか分からずに、アンチョコを使って回路定数を決めているだけなのです。

手遅れだが起死回生のためにすること

マーケティングとブランディングを今からでも徹底的にするべきです。

そして、勝てるマーケットに絞って徹底的に顧客とブランドと製品を育てるしか道はないと考えています。

 

選択と集中と前から叫ばれていますが、徹底的にそうするべきなのです。

徹底的なブランディングとターゲッティングを行ってから製品の価格を上げるべきなのです。

 

早い判断で撤退するというのも立派な戦略です。

gendai.ismedia.jp

ブランディングで成功している好例といえばダイソン(Dyson)あたりでしょう。

ここに学ぶところは大きいと考えます。